top of page

シチズン時計株式会社様

シチズン時計 山川人大 氏、澁谷真志 氏、竹中秀雄 氏、宮内知子 氏に、SKIPを導入した経緯とその導入効果について詳しく聞きました。

【 シチズンの時計事業について 】

 

シチズンは世界を代表する時計会社、精密機械企業の一つです。

シチズングループ全体の従業員数は約19000名。中核グループ

会社であるシチズン時計の従業員数は1000名(2013年5月時点)

です。

 

※ 数字はいずれも2013年度のもの

※ 以下のインタビュー文は、基本的には4名の談話を総合したものですが、「個々人の発言」となる部分では冒頭に話者の氏名を記しています。

 ■ SKIPを情報共有・継承ツールとして活用

 

― シチズン時計では、SKIPをどう活用していますか。

 

シチズン時計ではSKIPを、「社内での情報共有・技術継承のためのツール」として活用しています。最初はシチズン時計の部門内の約30人でスモールスタートし、その後、シチズン時計全体、約1400人へと活用範囲を広げました。今後はシチズングループ全体、約19000人に広がっていってほしいと考えています。これまでの活用拡大の経緯は次のとおりです。

(2)の「自由参加型SNS」として活用していた時期のSNS活用概況は、「SNSに自主的に登録したのは560名(社員1400名の約40%)」、「自主登録した560人のうち約400名(70%)が、少なくとも10日に1回はSNSにアクセス」というものでした(※)。

 

しかし、私たちはSKIPを「自由参加型のワイガヤSNS」ではなく、「必須使用の業務システム」と位置づけています。そう考えた場合、社員の7割ではなく10割が使わなければいけません。

 

2013年11月より、少なくとも開発・製造部門では、「SKIPを業務システムとして使用する」ことを義務づけました。推奨ではなく、義務づけです。

 

※ 「これは自主参加型SNSとしては賑わっている方です。『最良・良い・普通・良くない』で格付けすれば『良い』に

  該当します(ソニックガーデン 代表 藤原)」。

 ■ メールをやめろ。SNSを使え。

 

― 「SKIPを業務システムとして使用する」とは具体的には。

 

(山川様): 分かりやすさを優先し、単純化して説明します。SKIPを

業務システムとして使うとは、すなわち、「電子メールはやめろ。代わりに

SKIPを使え」ということです。

 

社内で何らかの仕事を行う場合、そこでは必ず「連絡」、「データ共有」、

「議論」、「議論のまとめ(議事録)」などの作業を発生します。従来は、

それらの作業を電子メール(添付ファイル)で行っていました。

 

 

この電子メールの使用を極力最小にして、業務上の連絡やデータ共有はすべて

SKIP上で行うようにし、それにより「情報の速やかな共有と継承」を実現した

いと考えているのです。

 

 

SKIPを活用すると電子メールは本当に減少します。私は自分自身のメール

ボックスで計測してみましたが、ある一日に来たメールは合計53通でした。

 

 

その中から「社内SNSで処理した方が効率的なメール」、すなわち「わざわざ"メール"という形で読む必要は無いメール(読むだけで時間の無駄)」、「返信する必要もないメール(返信する必要があるかないか考えるその時間が無駄)」、「重要な情報が添付されていて、保存しなきゃいけないメール(受信者の各人がそのメールを分別保管しなければならず、その時間が無駄」というメールを省いていった結果、メールは17通まで減少しました。7割減です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また私の関わった新製品のテストプロジェクトでメンバー全員がメールをやめてSKIPを使うよう義務づけたところ、一日9時5時の業務時間の中から「1時間のムダ時間」をあぶり出すことができました。モノづくりの感覚からいうと、「1時間の時短」は大変な効率化です。

■ SKIPは「業務システム」

 

― 社内SNSを、「アイディア創発」、「社員間の親密度向上」、「ワイガヤの自由なディスカッション」を実現するために使っている企業も多くあります。しかしシチズンでは…

 

(山川様): はい、そのような使い方は重視しておりません。シチズンの社内SNSでは、「フランクなコミュニケーションの場としての活用」は副であり、主(しゅ)たる活用方法は、「開発・製造の仕事を進める上での情報共有(蓄積)のための業務システム」です。

 

社内SNSを「煙草部屋」、「給湯室」にたとえる考え方もあります。しかし、シチズンでは、社内SNSは、「煙草部屋のかわり」ではなく、「電子メールのかわり」なのです。

 

 

 

 ■ 社内SNSを導入した本当の目的

 

― SKIPを本業ツールとして使ったことの導入効果を教えてください。

 

(山川様): 先ほど述べた「メールの70%減少」、「ムダ時間のあぶり出し」などは効果測定例の一つです。

 

しかし社内SNSはあくまでツールに過ぎないので、そうした末端の数値成果に注目しても、かえって本質を見失うと考えます。私たちが社内SNSで実現したいことは、決して「些末なレベルの業務効率化」ではありません。

 

真に実現すべきは、シチズンの社員が「本当に大事なことに、時間とエネルギーを十分に割けるようになる」ことです。

 

 

■ 仕事で本当に大事なこと

 

― 「本当に大事なことに、十分に時間を割く」とは具体的には。

 

(山川様):私は仕事を成功させるために大事なことは、「重要な情報、ノウハウを知っているキーマンと、直接会って、真剣に話し合うこと(あるいは指導を仰ぐこと)」だと考えています。

 

逆に言えば、従来のシチズンでは、「情報のすみやかな共有・継承のしくみ」が不十分だったため、この「最も重要なこと」が十分に実現できていませんでした。

 

 

■ 社内SNS導入前の課題

 

― シチズンが感じていた「情報のすみやかな共有・継承」における課題は

どんなものであったのかを教えてください。

 

私たちが感じていた「情報共有・継承における課題・問題」は次のとおり

です。

 

課題1. 「古い技術が継承されていないせいで、新しいことがすぐにできな

い」

 

製造技術は積み重ねです。新しいことを行う時でも、まず先輩方が確立し

たノウハウを確実に認識し、そこに新機軸を上積みします。遠くを見渡す

には巨人の肩に立つのが手っ取り早い。しかし、従来は、話の前提となる

技術情報・ノウハウの収拾に時間と手間を要していたため、新しいことに

なかなか取りかかれませんでした。

 

 

課題2. 「『情報を探すこと』が仕事になってしまう(それで仕事をした気になってしまう)」

 

情報収集は重要です。しかし、情報収集が本業になってはいけません。

 

従来は、情報共有のしくみが不十分であったため、ファイルサーバの奥深くを探ったり、過去1年分のメールを検索したりして、半日、一日、数日かけて情報を探していました。

 

この作業の怖いところは、社員が、情報収集に対し、次第に「やる気」、「やりがい」を感じてしまうことです。情報を集めるだけで、何か仕事をした気分になる(なれてしまう)。この充実感は無意味です。情報は淡々と10秒で見つけられるべきです。

 

必要な情報を、「すぐに」、「簡単に」見つけられる仕組みが必要でした。

 

 

課題3. 「上流から下流までの部門横断的な情報共有が不十分だった」

 

従来の情報共有は、開発部門は開発部門の中だけ、製造部門は製造部門だけのように、部門内だけで閉じた、いわゆる「タコツボ」の情報共有でした。

 

しかし、本当は修理部門に集まるエンドユーザーからのクレームは、貴重な参考情報として、開発部門や製造部門にも共有されるべきです。

 

上流から下流まで、すなわち企画・開発、設計、製造、修理・サポートまで一気通貫した情報共有の仕組みが必要でした。

 

 

課題4. 「海外拠点との情報共有が不十分」

 

シチズンの時計事業は、すでに売上げの8割が海外から生じています。生産拠点は海外にも多くあります。マザー工場である日本の製造拠点で確立した情報・ノウハウを、海外の製造拠点と確実に共有する仕組みが必要でした。

 

 

課題5. 「『結果情報』は継承できていた。しかし『プロセス情報』が継承できていなかった」

 

従来の情報共有では、「結論」だけが共有されていました。「結論」とは、たとえば「このバンドを作る場合はステンレスを使うのが良い」のような情報のことです。

 

しかし、従来の技術に改善を加えるには、「なぜステンレスを使うのが良いのか」、「どういう議論を経てステンレスが最良という結論に至ったのか」という理由、プロセスの情報が必要です。

 

それが分かれば、「なるほど、当時はそういう問題があったからステンレスを使うしかなかったのか。でも今ならもっと良い素材が使えるぞ」というように、工夫・改善を重ねることができます。

 

「結論」だけでなく「結論に至るプロセス」をも共有できる仕組みが必要でした。

 

 

課題6. 「無意味な結論が、無意味に継承される恐れがあった」

 

たとえば、「この製品では素材に●●は使ってはならない」という「禁止ノウハウ」が、理由なしに結論だけ継承された場合、それは有害です。

 

その素材を使っていけない理由は、もしかすると「当時の工作機械の性能不足」だけかもしれません。そしてその性能不足は、現代では解決済みかもしれません。

 

そうした「理由」「背景」を無視して、禁止ノウハウだけが一人歩きすると、業務の改善が停滞します。

 

 

課題7. 「『情報発信者(KnowWho)』が共有・継承できていなかった」

 

情報は、「結論」、「プロセス」に加えて「発信者」を共有できれば、効果が高まります。その結論は、「誰が出したのか」が分かれば、情報内容で不明点があった場合でも、結論を出した当人に直接に会いにいって話を聞くことができます。この「誰(WHO)」は、もしかすると「ノウハウ(HOW)」以上に重要な情

報かもしれません。

 

 

課題8. 「個々人の『無駄な部分最適化』が発生している恐れがあった。

 

個々人のがんばり、すなわち部分最適が、ただちに全体最適につながるとは限りません。

 

社員によっては、必要な情報をいつでも取り出せるよう、自分のメールボックスの中に、精緻な体系のサブフォルダを作り、情報の保管と分類に励んでいました。それ自体は、意欲あふれる立派な終業態度です。

 

しかし会社全体として見た場合にはどうなのか。「社員それぞれが、情報整理の努力をしている」、そのこと自体が、もしや大きなムダではないのか。個人の努力に頼らず、会社全体を仕組みで効率化する発想が必要であると考えました。

 

 

以上が、シチズンが感じていた情報共有・継承の課題です。

■ 様々なコミュニケーション手段の一長一短を精査

 

― その課題を解決するために社内SNSを導入したというわけでしょうか。

 

いえ、直ちに社内SNSが良いと考えたわけではありません。

 

まず、情報を共有・継承するための「手段」、「媒体」について、よく考えることから始めました。

 

具体的には、「一対一」、「会議・講習」、「電話」、「メール」、「ファイルサーバ」、「文書管理システム」、「Web/TV会議、電話会議」、「社内SNS」などについて、その一長一短を精査しました。

 

 

■ 具体的な精査の内容

 

― その精査の内容を詳しく教えてください。

 

コミュニケーションの各手段について、私たちが想定した一長一短は

次のとおりです。

 

「一対一の対話」

 

  • 長所

コミュニケーションが濃密に取れること。表情や仕草など言語外

コミュニケーションが可能なこと。納得が行くまで質問できることは

長所です。

 

  • 短所

「一対一」であることが短所です。100人に伝えようとすれば、同じ伝達を100回繰り返さなければいけません。また、口伝による伝達の場合、理解を確実に刻み込めない可能性、つまりその場では雰囲気に酔って「分かったような気分」になっても、しばらく後には「あれって何だっけ?」となる可能性があります。

 

「会議・講習」

 

  • 長所

「一対一」ほどではありませんが、対面の、濃密なコミュニケーションが可能です。

 

  • 短所

会議を開くときは、メンバー間の日程調整など事前作業が必要です。「集まることのコスト」が大きいのは

短所です。

 

「メール」

 

  • 長所

メールの長所は「手軽であること」、「コミュニケーションの経過が残せること」、「双方が都合良いときに使えること」、「ある程度保存できること」です。

 

  • 短所

メールの短所は、「手軽なので、使いすぎて、洪水になること」、「分類・検索の機能が不十分なこと」、「そこを頑張って分類し始めると、それに手間と時間を取られること」、「結局はその場・その時限りの連絡にすぎないこと」、「結局は『送信者と受信者の間の情報共有』であり、『部門横断的・世代縦断的な情報共有』にはならないこと」などです。メールは情報共有のツールとしては、一見、便利なようで、実はデメリットの方が多い手段だと思います。

 

「ファイルサーバ」

 

  • 長所

長所は、「大量の情報を保管できること」、「文書、画像、動画など多彩な形式で保管が可能なこと」です。

 

  • 短所

短所は、「欲しい情報にたどり着くのが難しいこと」、「情報の発信者(KnowWho)が分かりにくいこと」、「さまざまなファイルが無造作に放り込まれていき、最後は収拾がつかなくなること」です。

 

「文書管理システム」

 

  • 長所

長所は、「体系的な情報管理が可能なこと」、「高度な検索機能があること」、「厳密な版管理が可能なこと」です。

 

  •  短所

短所は、「あまりに重厚長大すぎて、誰も情報を登録しなくなること」、「導入したはいいが、結局は『ホコリをかぶる』結果になりやすいこと」です。文書監理システムは、国立古文書館や図書館など、「すでに膨大な文書情報があり」、「これからも自動的に情報がどんどん増えていく」という環境に向いているように思います。

 

「社内SNS」

 

  • 長所

長所は「書き込みが手軽であること」、「日々の業務で使えること」、「情報の発信者が明確なこと」、「柔軟性が高く、融通が利くこと(使い方が工夫できる)」、「テキストだけでなく、文書ファイルや動画も掲載可能なこと」、「全社での共有が簡単なこと」です。

 

  • 短所

短所は、「版管理、検索など、文書監理システムに備わっているような機能が弱いこと」です。

 

■ SKIPをいったん試験導入。しかし…

 

― 数ある選択肢の中から、社内SNSであるSKIPを採用することになった経緯を教えてください。

 

SKIPのことは2010年に初めて知りました。シチズンの課題を解決するた

めのツールとして潜在力を感じたので、まずは製造部門の選抜10数名で試

験導入してみました。

 

選抜メンバーからは、「毎日使ってもストレスがない」、「使いやすい」と

好評でした。しかし、一方では、メンバーから、「大容量のファイル保管、

高度な検索、版管理などの機能が必須だ」という意見も出ました。

 

まずは、これらの意見を、システム改善要望として、ソニックガーデンに提出することにしました。

 

しかしソニックガーデンからの回答は、「SKIPはあくまで『社内SNS』なので、ファイル管理、検索、版管理などの機能は、正直弱いです。それら機能をご希望なら文書管理システムを導入する方が適切だと考えます」というものでした。

 

この回答を受けて、SKIPの採用は「いったん見送り」となり、その替わりに、大手A社のコネクションツール、同じく大手B社の「文書管理システム+SNS」、中堅C社の「文書検索+SNS」の検討を開始しました

 

しかし、どの製品も、非常に高価であり、また重厚長大であり、「はたして社員、皆が積極的に使ってくれるかどうか」、「高価な費用を払って導入したのに結局ホコリをかぶる…ということにはならないか」という点では、一抹の不安がありました。

 

協議の結果、「SKIPを含む、候補製品を、再度、ゼロベースから比較検討する」という結論になりました。

 

 

■ 候補製品を比較したときの比較基準
 

― 候補製品を比較したときの基準(比べるときの目のつけどころ)を教えてください。

 

候補製品は、次のような基準で比較しました。

 

基準1. 「基礎性能」

シチズン社内で「ふだん使いの情報共有ツール」として使えるだけの、基本的な機能、性能、仕様があることを求めました。

 

基準2. 「早期導入」

採用すると決めたら、すぐに導入したいと考えました。先輩社員は毎年、定年退職していきます。情報継承は早く取りかからないと、貴重なナレッジがどんどん失われていきます。

 

基準3. 「パートナーシップ」

情報共有・継承ツールは、導入してそれで終わりではなく、その後もよりよい使い方試行錯誤し、時にはソフトウエアに対しカスタマイズを求めることもありえます。そうした要請に柔軟に答えられる製品(企業)であることを求めました。

 

基準4. 「使い勝手」

情報継承とは、「ベテラン社員が若い社員にノウハウを伝えること」です。しかし、ものづくりのプロであっても、パソコンが必ずしも得意であるとは限りません。新たに導入するツールは、誰でも簡単に使える、操作性の良いものであることを求めました。

 

基準5. 「セキュリティ」

情報共有・継承ツールでは、「現在進行中の業務の情報」、「貴重な技術ノウハウ」を取り扱うので、セキュリティには十分に配慮しなければいけません。その意味では、クラウドよりもオンプレミスのシステムの方が望ましいと考えました。閉鎖系での運用の方がセキュリティが確保しやすいからです。

 

基準6. 「スマートフォン対応」

スマートフォンで読み書きできる仕組みであることを求めました。

 

基準7. 「費用」

上記の基準1~5を満たした上で、価格に競争力があることを求めました。

 

基準8. 「費用面でのスケーラビリティ」

今回導入するツールは、その使用範囲が「部門 → 事業部 → 会社全体 → グループ全体」のように一気に広がることがありえます。そのように、利用者が急増した場合でも、むやみに費用が高騰しない価格体系であることを求めました。

 

以上の基準で各製品を比較検討したところ、やはりSKIPがシチズンの求める要件を最もよく満たしていました。

 

 

※ 各製品を精密に相互比較したところ、SKIPが総合点が最も高かった。

(シチズンの内部資料パワーポイントより抜粋)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

当初、ネックであった「検索やファイル管理の機能が不十分」という点については、ソニックガーデンに再び相談し、「全てとはいわないが、できる範囲で機能強化に対応してほしい」と求めたところ、快諾していただけました。

 

こうして当初の懸念も解消されたので、SKIPの導入を正式に決定。2012年に部門内での使用を開始(スモールスタート)。その後は、冒頭述べたとおり、部門からシチズン時計全体へ、さらにはグループ会社全体へと順調に利用範囲を拡大しています。

■ SKIPを使ってみての気づき(1) ~ 「部門横断の情報共有に便利」

 

― 「SKIPを実際に使ってみて”気づいたこと"」について教えてください。まず澁谷様、お願いいたします。

 

(澁谷様):私は情報システム部門の立場からお話しします。

 

実は情報システム部門では、部門内の情報共有は、5年前からシステム化していました。

具体的には、社内ブログを使って。各社員が、「その日の気づき」、「その日、覚えた

こと」、「書き留めておかないと3カ月後の自分が忘れてしまうこと」を日記形式で書き

留めていました。

 

情報システム部門では、社内ブログが「報連相の場」、「情報共有の場」なのです。

 

今回SKIPを導入したことで、従来は、情報共有の範囲が「部門内だけ」から、「部門内および部門外」に拡張されました。

 

具体的には、「会議をする、議事録を残す」、「相談を受ける、それに回答する」、「要求事項を確認する、残課題を管理する」、こうした業務管理を、他の部署とも部門横断的に行えるようになったのです。

 

それまでも社内ブログによる情報共有を効率的で良いと思っていましたが、他部門ともそれができるようになると、情報共有の密度と効率がさらに上がります。

 

なるほどこれを蓄積していけば、情報は自然に共有・継承できていくよなあと実感しています。

 

 

■ SKIPを使ってみての気づき(2) ~ 「他部門のことがリアルに分かる」

 

― 宮内様はいかがでしょうか。

 

(宮内様):私は「非技術系の一般職」の立場からコメントします。

 

私は社内の諸情報の分析業務が仕事です。なので、時計の開発や製造のことは、正直

言うと、ほとんど知りませんでした。

 

しかし、SKIPを使い始めてから、開発、製造など他部門のこと、グループ会社のこと、

海外のことが、当事者のナマの言葉を通じて、リアルに分かってきました。

 

社内SNSを読んでいると「へえ」とか「そうなのかあ」とかいうような、新鮮な発見があって面白いです。

 

 

■ SKIPを使ってみての気づき(3) ~ 「メールは早くやめたい」

 

― 竹中様はいかがでしょうか。

 

(竹中様):私はSKIPを使うようになってから、「メールを使うのは早くやめたい」と

いう思いがより強くなりました。

 

メールは結局、個人ベースの情報管理であり、チームでの情報共有には不向きです。極論

すると、「メールを使うのは、社外とのやりとりだけに限り、社内間の連絡にメールは使

わない」という運用も「あり」なのではないかと思います。

 

 

■ SKIPを使ってみての気づき(4) ~ 「業務が早くなって快適」

 

― 山川様はいかがでしょうか。

 

(山川様):わたし個人としては、「連絡」、「報告」、「フィードバック」、「キー

マン発見」、「引き継ぎ」など、業務スピードが高速化したことが嬉しいです。仕事は

速いほうが良いですから。

 

今のSKIPは動画も扱えます。これはいい。技術ノウハウの継承のために動画はとても

有効ですから。

 

この他、海外勤務の社員から「海外でも日本と同じ環境で仕事ができて本当に助かります」

という声をもらいました。それを聞いたときは「社内SNSは、グローバルに使えるんだな」

と改めて実感できました。

 

一方、使ってみて分かった「見込み違い」もあります。

 

 

■ 自由参加方式の限界

 

― 「使ってみて分かった"見込み違い"」とは具体的には。

 

(山川様):SKIPを導入した当初は、「良いツールであれば、使用者は自然に増える」と思っていました。社内SNSを活用している部門と活用していない部門とでは、業務スピードに格段の差が生じます。その実態を知れば、誰でも自主的に使うようになるだろうと。

 

しかし、人間、結局、新しいことはやりたくないというのが真実でした。自由参加方式では、感度の高い社員しか参加してきません。

 

社員全員に使わせることを目指す場合、やはり、どこかのタイミングで「強制」が必要であることが今回の経験を通じて分かりました。

 

 

■ これからの活用計画

 

― SKIPの今後の活用計画について教えてください。

 

現在、SKIPの活用可能範囲は、「シチズングループの社員全員」という所まで拡大しました。今後は、それに加えて「シチズンをすでに定年退職した先輩社員」をも活用可能範囲に加えられればと考えています。

 

これを実現するには、セキュリティや人事契約などクリアすべき条件がいくつかありますが、何らかの解決策を見いだした上で、「世代を超えた情報継承・共有」を実現したいと考えています。

 

■ 常に原点に帰ることの重要性

 

― 現在、「情報共有・継承の仕組み化」に取り組んでいる企業に対し、「ある種の先輩ユーザー」としてアドバイスなどあればお聞かせください。

 

アドバイスのような大層なことは言えませんので、あくまで私見として。

 

まず「社内SNSは、きわめて安価です」ということをお伝えしたく思います。

 

今回はさまざまなシステムとSKIPを比較しました。実は最も高いシステムと比較すると、SKIPの価格は、数字のケタが二桁違うほどに安価でした。

 

「文書管理」、「ナレッジマネジメント」などを実現するシステムは、たいてい重厚長大で、高価です。

 

私たちの場合は、まず「自分たちがやりたいのは本当に文書管理なのか?ナレッジマネジメントなのか?」とつきつめて考えました。その結果、「社内SNSを、電子メールがわりに使うのが有効」という結論に達したのです。

 

ツールを選ぶときには、「自分たちが実現したい価値はそもそも何なのか」という「原点」を常に再確認するのが重要だと考えます。

 

 

■ 今後の期待

 

― SKIPへの今後の期待をお聞かせください。

 

今回、SKIPの導入・活用を通じて、シチズンの情報共有・継承の仕組みは大きく進化しました。ソニックガーデンには、今後とも優れた製品、知見、ノウハウの提供を通じて、シチズンの情報共有の取り組みを後方支援していただくことを期待します。引き続きよろしくお願いします。

* シチズン時計のホームページ
* 取材日時 2013年11月
* 記載の担当部署は、取材時の組織名です。

関連記事

 

 

bottom of page