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総合メディカル株式会社様

総合メディカル 永野義昭 氏 吉田文隆 氏 千々松康隆 氏に、社内SNS「SKIP」を導入した経緯と

その導入効果について詳しく聞きました。

【 総合メディカルについて 】

 

総合メディカルは、「医療機関の経営支援」と「調剤薬局の運営」の

2つを事業分野とする総合医療支援企業です。

年商は867億円、従業員数約3400名(うちパート 約900名)。

設立1978年。

 

【 総合メディカルの調剤薬局事業「そうごう薬局」について 】

 

総合メディカルでは、「そうごう薬局」の名称で、調剤薬局を

日本全国に展開しています。

店舗数は北海道から沖縄まで全国478店舗(※)。

調剤薬局業界では、シェア第三位です(売上ベース)。スタッフ数は約2000名。調剤薬局事業の売上げは634億円、営業利益は44億円です。(※ 2014年2月現在。うちドラッグストア2店舗)

北海道から沖縄まで

全国ほぼ全県で店舗展開

 ■ SKIPを、店舗スタッフの交流の場として活用 

 

― そうごう薬局では、SKIPをどのように活用していますか。

 

そうごう薬局では、社内SNS「SKIP」を、全国478店舗の現場スタッフ

およびエリア長の約2000名による「気軽な情報交換の場」として

活用しています。活用概況は次の通りです。

薬剤師の

SNS活用風景

ブロック長の

SNS活用風景

自由参加制のSNSですが、現在は、そうごう薬局の店舗スタッフのほぼ全員が参加しています。

うちアクティブユーザー(※1)は 1,112名で、全体の54.3%です(※2)

 

  ※1.  全体の参加者から「7日以上SNSを見ていない人」を差し引いた人数

  ※2. 「この数字は自由参加型SNSとしては【非常に活況】です(ソニックガーデン 代表 藤原 コメント)」。

 ■ 社内SNSでどんな情報交換をしているのか

 

― 社内SNSの中で、店舗スタッフは、どのような情報交換を行っているのでしょうか。

 

これは、実際の画面をご覧いただいた方が早いかと思います。つぎのようなものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

たとえば、「デッドストック情報共有の場」では、102名の店舗スタッフが、デッドストック(死蔵在庫)に関する情報を共有しています。また、「『想いを形に変える』薬局づくり【36期西日本提案制度委員会】」では、278名が参加して、よりよい薬局作りのための提案を出しあっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ■ そうごう薬局の経営戦力の中で社内SNSの位置付け

 

― この社内SNSが、そうごう薬局の経営戦略の中でどんな位置付けにあるのかを教えてください。

 

そうごう薬局では2010年に向こう3年間の中期経営計画を立てました。

そこで掲げられた目標の一つが、「店舗数を327店舗から500店舗に

増やす」でした。

 

店舗の新設には、必ずスタッフ増員が伴います。3年間で170店を新設する

場合、スタッフが数百人規模で急増します。

 

調剤薬局とは「医療機関の処方に基づいてお薬を調剤する」

という業態なので、商品力や広告宣伝で他店と差別化ができません 。

お客様満足度を高めるには、勤務するスタッフの「人の力」を高める他

ありません。調剤薬局という業態では、人がすべてなのです。

 

その前提に基づき、中期経営計画に呼応する「IT戦略推進プロジェクト」においては、「従業員満足度(ES: Employee Satisfaction)の充実」を最重要項目に据えました。

 

そのプロジェクトの取組項目の一部が、今回の「社内SNS導入」です。ある意味では「最も重要な一部分」であるといえます。

 

 

 

 ■ 社内SNSは、「ネクタイを外した」コミュニケーションの場 

 

―「社内SNSが、ある意味では、プロジェクトの『最も重要な一部分』である」とは具体的には。

 

新店舗を増やす時期は、サービス品質を落とすことのないよう、社員研修、全体会議、マニュアル整備、理念浸透の徹底などが重要になります。

 

しかし、そうした施策と社内SNSには決定的に違う点があります。それは、従来の取り組みが、「公式の場」であるのに対し、社内SNSは、「フランクな場」であるということです。

 

比喩で言えば、従来の取り組みが「ネクタイを締めた場での交流」であるのに対し、社内SNSは「ネクタイを外した場」、「アフター5の場」であるイメージです。

 

会社が提供する日常コミュニケーション・ツールの中で、「ネクタイを外した場」といえるのは、社内SNSだけです。その意味では、「一部分ではあっても、最重要の部分」となるのです。

 

 

 

 ■ 社内SNS運営部門として気をつけていること

 

― 今回、店舗スタッフが社内SNSに積極参加してくれるよう、情報システム部門として注意したことについて教えてください。

 

社員が積極参加してくれるよう、情報システム部として注意したことは、次の三点です。

 

 (1)「本社が監視しているような雰囲気を絶対に作らない」 

 

 (2)「停滞している時は、エリア長を通じて、テコ入れする」 

 

 (3)「社員に対し、会社が本気であることを示す

 

 

■ 注意点 1.「本社が監視しているような雰囲気を作らない」

 

― 順番にお聞きします。

 「本社が監視しているような雰囲気を作らない」とは具体的には。

 

いくら本社が、「社内SNSはフランクな情報交換の場です。

みなさん、どんどん情報交換しましょう!」と呼びかけたとしても、

現場社員は、すぐにそれを信じるでしょうか?。ここが話の出発点です。

 

これは推測ですが、その呼びかけを聞いた社員は、「何だか面白そうだな!」

と思う反面、一方では用心するかもしれません。

 

「本当にフランクな本音を書いたら、本社から注意されるんじゃないか?」

 

「”フランクな場”と口では言っているが、実は本社はこっそり監視して

いるのじゃないか?」

 

「人事考課の材料にされるんじゃないか?」

 

こうした警戒心を解いてもらうために、情報システム部門は、「監視しているようなそぶり」、「統制しているような気配」は、万が一にも見せないように気を配りました。

 

 

― しかし、放任していると、変な書き込みが書かれて「荒れる」ことがありうるのでは?

 

その心配はしていません。たしかに、ごくまれに「変な書き込み」はあります。しかし、そんな書き込みは相手にされません。自浄作用が働いています。

 

 

 

■ 注意点2.「停滞している時は、エリア長を通じて、テコ入れする」

 

― 「停滞している時は、エリア長を通じて、テコ入れする」とは。

 

弊社の社内SNSは、開設当初は、物珍しさも手伝ってか、よく賑わっていました。しかし、6カ月後には、アクセス数は停滞していきました。中だるみです。

 

― 「飽きられた」ということでしょうか。

 

いや、そうではなく、アクセス停滞の理由は、「スレッドを立てることへのハードル感」のようでした。

 

「スレッドを立てる」とは、何らかの題目を決めて、ディスカッションの場を作ることです。スレッドを立てても、何の反応(書き込み)もないと、立てた人は、少し寂しい思いをすることになります。 そうなると、社員としては、次のように思うかもしれません。

 

「社内SNSに興味はあるが、自分でスレッドを立てるのは気が引ける

(他の誰かがスレッドを立ててくれれば、そこに書き込むのだが…」

 

「スレッドは立ててみたいが、どんなテーマで立てれば良いのか分からない」

 

こうした「潜在積極層」をSNSに積極参加させるため、各エリアのエリア長、

ブロック長に、「スレッドを立てて欲しい。アクセスを盛り上げるのを

手伝ってほしい」と依頼しました。

 

こうしてテコ入れすると、アクセス数は再び伸びていきました。今では

店舗スタッフが自らスレッドを立てることも珍しくありません。

 

 

■ 注意点3.「社員に対し、会社が本気であることを示す」

 

― 「社員に対し、会社が本気であることを示す」とは。

 

社内SNSを開設したタイミングでは、その他にも、従業員満足度向上の施策を「集中的に」実施しました。それにより、全国の店舗スタッフに対し、「会社は、従業員満足度の向上に”本気で”取り組んでいる」ことを示したいと考えたのです。

 

こちらが先に「本気」を見せないと、店舗スタッフは本気で反応してくれません。

 

 

 

 ■ 社内SNSの製品選択の経緯 

 

― そうごう薬局の、社内SNSの製品選びの経緯を教えてください。

 

製品選定の際は、SKIPを含む数製品が候補になりました。各製品を比較する際の比較条件(求めた要件)は次のとおりです。

 

【要件1】「シンプルでとっつきやすいこと」

 

社内SNSは、社員みんなが使ってくれないことには、導入してもまったく意味がないツールです。新たに導入する社内SNSには、どんな社員でも、たとえパソコンやネットに苦手意識がある社員でも、簡単に普通に使える、そんな「とっつきやすいツール」であることを求めました。

 

【要件2】「スマホでも閲覧、書き込みが可能なこと」

 

社内SNSには、社員が自宅のパソコン、スマートフォンからでも接続可能な仕様であることを求めました。当面は、職場のパソコンからの書き込みが主流でしょうが、将来的にはスマートフォンでの閲覧、書き込みも活発になる可能性がありますから。

 

【要件3】「アクティブディレクトリとの連携が可能なこと」

 

現在、社員情報はアクティブディレクトリで管理しています。新たに導入するSNSには、「セキュリティ強度の確保」と「運用負荷の軽減」を確保するためにも、アクティブディレクトリとの連携が可能であることを求めました。

 

【要件4】「導入実績が十分であること」

 

各企業・団体での活用実績が豊富であることを求めました。

 

【要件5】「費用対効果」

 

これら要件1~4 を満たした上で、導入費用が競争力のある価格であることを求めました。

 

 

上記の要件を元に相互比較した結果、SKIPが、弊社の求める要件を最もよく満たしていたので、これを採用すると決めました。2012年4月のことです。以来、SKIPは、社員間の交流のための「なくてはならないツール」として、店舗スタッフ2000人が、日々、フル活用しています。

 

 

 ■ 今後の期待 

 

― SKIPへの今後の期待をお聞かせください。

 

今回、SKIPの導入を通じ、そうごう薬局の従業員満足度向上のためのコミュニケーション基盤が確立しました。そうごう薬局は、今後も従業員満足度の向上に継続的に取り組んでいく所存です。ソニックガーデンには、優れた技術と手厚いサポートを通じて、弊社の取り組みを支援していただくことを希望します。今後ともよろしくお願いします。

 

そうごう薬局様、本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

 

総合メディカル株式会社

■ 本社所在地: 福岡市中央区天神2-14-8

■ 設立:    1978年6月12日

■ 従業数:   正社員 2475名、パート 931名

■ 事業内容: 医業経営コンサルティング

         医療機関への医師の紹介

         医師の転職・開業支援

         医業継承支援

         コメディカルスタッフの紹介・派遣

         保険調剤、一般薬・介護用品の販売

         医療機器などのリース・販売

         入院患者向けテレビのレンタル

         医療・介護施設の企画・設計・施工

         介護(高齢者向け住宅などの運営)

 
* 取材日時 2013年11月
* 記載の担当部署は、取材時の組織名です。
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